『企業IT動向調査2025』プレスリリース第1弾を行いました
2025年1月29日
2025年1月28日
一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会
PDF版はこちらをご確認ください。
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「企業IT動向調査2025」の速報値を発表
→ 企業の49.5%が25年度にIT予算を増やす見込み、DI値も最高水準を維持
→ 建築・土木や卸売、運輸・倉庫・不動産でIT予算増加の意向
→ IT予算増加理由はデジタル化対応、基幹システムの刷新に加え値上げの影響も色濃い
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一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(略称:JUAS)は、企業のIT投資・IT戦略などの動向を調べる「企業IT動向調査2025」(2024年度調査)を実施しました。IT戦略立案の一助として、速報値を発表します。調査概要はリリース最終ページをご参照ください。
■ 49.5%がIT予算を増やす見込み、DI値も最高水準を維持
情報システム・ユーザー企業の多くは、25年度もIT予算(*1)を増加する様相です。24年度よりも「増加する」と回答した企業は全体の49.5%を占めました(図1)。
25年度に「10%以上増加」とした企業は14.9%、「10%未満増加」は34.6%、「10%未満減少」は5.5%、「10%以上減少」は3.4%、残りの41.6%は24年度並み(「不変」)という回答でした。「増加する」割合から「減少する」割合を差し引いた指標(DI値)は40.6ポイントと、最高水準を維持しています。
本調査では、毎年翌年度の予測値に加え、当年度の計画値を聞いています。例えば24年度の予測値(23年10月調査時点)では、IT予算を増やすと回答した企業は48.0%(「10%以上増加」15.5%+「10%未満増加」32.5%)でしたが、24年度の計画値(24年10月調査時点)では50.9%(「10%以上増加」が19.2%+「10%未満増加」31.7%)となりました。前年度時点の予測より、当年度の計画が上回るのは23年度の比較、22年度の比較でも同様の傾向がありました。予算策定時や期中でIT予算が増えていることがうかがえます(図2)。
*1:本調査における「IT予算」とは、当該年度に支出予定の金額(キャッシュベース)を基本とし、金銭的な支出を伴わない費用(償却費等)は除外しています
■ 建築・土木や卸売、運輸・倉庫・不動産ではIT予算増加の意向
業種グループ別に25年度予測のDI値を比較すると、建築・土木が60.6ポイントで最も高く、次いで卸売が50.5ポイント、運輸・倉庫・不動産が50.0ポイントとなりました。特に、建築・土木では「10%未満増加」が24年度計画で34.8%から25年度予測では48.5%と13.7ポイント増加している一方、「10%以上増加」や「不変」が減少しています。卸売では、23年度計画から25年度予測にかけて右肩上がりでの増加がみられました。
一方、25年度予測と24年度計画のDI値を比較すると、社会インフラは21.7ポイント減(24年度計画:47.8ポイント→25年度予測:26.1ポイント)、金融・保険は10.2ポイント減(24年度計画:46.9ポイント→25年度予測:36.7ポイント)とそれぞれ増加割合が減少する傾向がみえました(*2)。これら2業種では、「不変」の割合が社会インフラでは13.0ポイント増(24年度計画:17.4%→25年度予測:30.4%)、金融・保険では6.1ポイント増(24年度計画:32.7%→25年度予測:38.8%)と現状を維持する方向性に舵が切られており、IT予算の増加傾向はいったん落ち着きをみせています。
*1:社会インフラは24年度調査時(25年度予測値、24年度計画値)のn数が30未満のため留意が必要
■ IT予算の増加理由は「業務のデジタル化対応」や「基幹システムの刷新」のほか各種値上げの影響も
25年度予測のIT予算の増加理由では「業務のデジタル化対応」が45.5%ともっとも多く、「基幹システムの刷新」が44.5%で続きます。24年度より選択肢に加えた「円安・人件費高騰・ベンダー提供価格の値上げなどによる影響」は41.8%、「クラウド化によるランニングコストの上昇」は38.5%で上位に挙がります。各企業にとって円安やさまざまなサービスの値上げ、クラウドのランニングコスト上昇は、IT予算に大きく影響を与えていることが明確に示されました(図4)。
25年度予測と24年度計画を比較すると、25年度は「基幹システムの刷新」が4.4ポイント増(24年度計画:40.1%→25年度予測:44.5ポイント)、「業務のデジタル化対応」が3.8ポイント増(24年度計画:41.7%→25年度予測:45.5%)、「事業変革に向けたデジタル化対応」が3.5ポイント増(24年度計画:23.6%→25年度計画:27.1%)となっています。まだ2025年の崖対策への投資もありつつ、DX推進に関連する投資にも振り向けたいという思いがみえる結果となりました(図4)。
図4 IT予算の増加理由
「企業IT動向調査2025」の調査期間は2024年9月6日から10月28日。
調査対象は、東証上場企業とそれに準じる企業の4500社で、各社のIT部門長に調査依頼状を送付し、Webアンケートで981社より回答を得ました。
正式なデータや分析結果については、ダイジェスト版と詳細な分析結果を掲載したダウンロード版を2025年4月に公開予定です。
PDF版はこちらをご確認ください。
■連絡先・お問合せ先:
一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会 担当:鈴木
E-mail:itdoukou@juas.or.jp TEL:03-6264-1312