『企業IT動向調査2023』プレスリリース第2弾を行いました

2023年2月7日


「企業IT動向調査2023」速報・第2弾、DXとテレワークの最新事情
⇒DX推進を実感できている企業は24.7%。推進のキモはデータ活用
⇒意外と進んでいないIT部門のテレワーク。実施率「7割以上」は12.6%


一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(略称:JUAS)は、企業のIT投資・IT戦略などの動向を調べる「企業IT動向調査2023」(2022年度調査)を実施しました。IT戦略立案の一助として、速報値(第2弾)を発表します。調査概要はリリース最終ページをご参照ください。

■自社のDX推進を実感できている企業は24.7%。DX推進のキモはデータ活用の推進

「DX推進ができていると思うか」の質問で、「非常にそう思う」または「そう思う」という企業は全体の24.7%でした。前回調査よりは増えていますが、まだまだDX推進の道のりは長そうです(図1)。
売上高が大きい企業ほどDX推進を実感しています。売上高1兆円以上の企業では73.2%が「非常にそう思う」または「そう思う」と回答。21年度調査時から13.2ポイント増と大きく伸ばしました。一方、売上高1兆円以下になると「非常にそう思う」、「そう思う」と回答した割合は低下し、売上高1000億~1兆円未満では40.3%(0.7ポイント増)、売上高100億~1000億円未満では19.8%(2.8ポイント増)と、売上高1兆円以上の企業と大きく開きがあり、21年度調査時からの伸びも鈍いです。売上高100億円未満では「全くそう思わない」の割合が18.4%と「非常にそう思う」と「そう思う」の15.9%を上回ります。いずれの売上高規模も、前回調査(21年度)よりもポジティブな回答の割合は上がりましたが、まだDX推進の成果を実感するには課題を残しています(図2)。
では、DX推進を実感している(「非常にそう思う」、「そう思う」)企業は、そうでない企業と何が違うのでしょうか。カギを握るファクターの一つが「データ活用」です。DX推進状況別にデータ活用の取り組み状況をみると、DX推進を実感している企業ほど「組織横断的にデータ活用ができる環境を構築し、ユーザーが利用している」の割合が高く、「非常にそう思う」と回答した企業では「データ活用に取り組んでいない」とする企業は0.0%でした。まだ「非常にそう思う」と回答している企業数は少ない状況ではありますが、こうしたデータからも、DX推進とデータ活用の推進はセットで進めていくことが得策のようです(図3)。

図1 DX推進状況

図2 売上高別 DX推進状況

図3 DX推進状況別 データ活用の取組み状況

■IT部門のテレワーク(在宅勤務)実施率、「7割以上」は12.6%

新型コロナ禍により一気に進んだテレワーク(在宅勤務)ですが、IT部門に限ってみると意外と進んでいません。21年度よりも22年度の方が実施率は下がっており、出勤勤務に戻りつつあるようです。22年度の現状では、テレワーク実施率「3割以下」が50.0%と半数を占め、「7割以上」は12.6%、「4~6割」は18.0%でした。今後の予定でも大きな変動はなく、今後も現状のテレワークの実施率を維持していくことが推察されます(図4)。
業種グループ別にIT部門のテレワーク実施率をみると、特に建築・土木や小売・外食など対面を伴う業種グループでのテレワーク実施率の低下が顕著で、小売・外食ではテレワークを「実施なし」とする企業が21年度より16.8ポイントと大幅に増え40.6%でした(図5)。
IT部門での働き方は新型コロナ禍前に戻りつつあります。テレワーク(在宅勤務)は浸透し、今後完全になくすわけではないと考えられるものの、働き方の多様化には課題が残るのかもしれません。

図4 年度別 IT部門のテレワーク(在宅勤務)実施率

図5 業種グループ別 IT部門のテレワーク(在宅勤務)実施率/現状

「企業IT動向調査2023」の調査期間は2022年9月9日から10月27日。
調査対象は、東証上場企業とそれに準じる企業の4500社で、各社のIT部門長に調査依頼状を送付し、Webアンケートで1025社より回答を得ました。
正式なデータや分析結果については、ダイジェスト版と詳細な分析結果を掲載したダウンロード版を2023年4月に公開予定です。

PDF版はこちらをご確認ください。

■連絡先・お問合せ先:
一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会
担当:山畔・鈴木
E-mail:itdoukou@juas.or.jp TEL:03-3249-4101